2つの損失は「何が減ったか」が違う

期末商品の評価では、帳簿と実地のズレを2種類に分けて計上します。

  • 棚卸減耗損: 商品の数量が減っていた(紛失・盗難など)
  • 商品評価損: 商品の価値が下がっていた(正味売却価額 < 原価)

計算式とボックス図

: 帳簿棚卸高 100個・原価 @¥100、実地棚卸高 95個、正味売却価額 @¥90

@100 ┌─────────────┬──────┐
     │              │棚卸減耗損 │
     │              │  500     │
@90  ├─────────────┤(5個×100)│
     │商品評価損 950 │          │
     │(95個×10)     │          │
     └─────────────┴──────┘
     0            95個      100個
  • 棚卸減耗損 =(帳簿数量 − 実地数量)× 原価 = 5個 × 100 = ¥500
  • 商品評価損 = 実地数量 ×(原価 − 正味売却価額) = 95個 × 10 = ¥950

「減耗は原価で・帳簿と実地の差」「評価損は実地数量で・単価の差」—— 掛け合わせる相手を逆にした選択肢が定番の引っかけです。

仕訳の型

  1. まず期末帳簿棚卸高で「しーくり・くりしー」(3級と同じ)
  2. (借)棚卸減耗損 500 /(貸)繰越商品 500
  3. (借)商品評価損 950 /(貸)繰越商品 950

貸借対照表の「商品」は、両方を差し引いた実地×正味売却価額(95個×90=8,550)に なります。

P/L上の扱い

商品評価損は原則として売上原価の内訳科目(売上原価に算入)、棚卸減耗損は 問題の指示により売上原価または販管費に表示します。第3問では「評価損は売上原価に 算入する」という指示つきで出るのが通例なので、指示に従って集計すれば OK です。

学習のポイント

ボックス図を描けば計算は機械的です。「先に減耗(横)、次に評価損(縦)」の 順で図を埋める手順を、決算分野の演習で反復しましょう。