差異分析の全体像

標準原価計算では、あるべき原価(標準)と実際発生額の差を要因別に分解します。

費目 差異の内訳
直接材料費 価格差異(単価のズレ)+ 数量差異(消費量のズレ)
直接労務費 賃率差異(賃率のズレ)+ 時間差異(作業時間のズレ)
製造間接費 予算差異操業度差異(+能率差異)

材料費・労務費 — 公式は同じ構造

  • 価格差異 =(標準単価 − 実際単価)× 実際消費量
  • 数量差異 =(標準消費量 − 実際消費量)× 標準単価

覚え方は「単価の差には実際量、量の差には標準単価」。 掛け合わせる相手を逆にした選択肢が毎回のように出ます。 賃率差異・時間差異は、単価→賃率、消費量→作業時間に読み替えるだけで同じ公式です。

計算結果がマイナス(実際が標準を上回る)なら借方差異(不利差異)、 プラスなら貸方差異(有利差異)です。

製造間接費 — 公式法変動予算

: 変動費率 200円/h、月間固定費予算 ¥300,000、基準操業度 1,000h、 実際操業度 900h、実際発生額 ¥500,000

  • 予算差異 = 予算許容額 − 実際発生額 予算許容額 = 200×900+300,000 = 480,000 → 480,000−500,000 = 20,000 不利
  • 操業度差異 = 固定費率 ×(実際操業度 − 基準操業度) = 300×(900−1,000) = 30,000 不利

予算差異は「使いすぎ」、操業度差異は「設備を予定ほど使わなかったことによる 固定費の配賦不足」を意味します。シュラッター図(縦軸に金額・横軸に操業度)を 描けるようにすると、公式を忘れても図から復元できます。

学習のポイント

第5問は差異分析の公式当てはめで12点が取れる、2級で最も費用対効果の高い分野です。 「単価差×実際量/量差×標準単価」「予算許容額の計算」の2点を、 原価計算分野のドリルで数値を変えて反復しましょう。