総合原価計算の核心は「月末仕掛品の評価」

大量生産では「当月の原価を、完成品と月末仕掛品(作りかけ)にどう配分するか」が 問題になります。ここで使う道具が完成品換算量ボックス図です。

材料費と加工費で扱いが違う

  • 直接材料費: 工程の始点で投入されることが多く、作りかけでも100%入っている → 数量そのままで按分
  • 加工費: 進捗に応じて発生する → **数量×加工進捗度(完成品換算量)**で按分

: 完成品 90個、月末仕掛品 20個(進捗50%) → 材料費の按分は「90 : 20」、加工費の按分は「90 : 10(20×50%)」

平均法と先入先出法

: 月初仕掛品(材料 ¥22,000・加工 ¥10,000、10個・進捗50%)、 当月投入(材料 ¥110,000・加工 ¥90,000)、完成 90個、月末 20個(進捗50%)

平均法 — 月初と当月をまとめて平均する:

  • 材料: (22,000+110,000) × 20/(90+20) = ¥24,000
  • 加工: (10,000+90,000) × 10/(90+10) = ¥10,000 → 月末仕掛品 ¥34,000

先入先出法 — 月末仕掛品は当月投入分からできていると考える:

  • 材料: 当月投入量 = 90+20−10 = 100個 → 110,000 × 20/100 = ¥22,000
  • 加工: 当月換算量 = 90+10−5 = 95個 → 90,000 × 10/95 ≒ ¥9,474

平均法は「(月初+当月)÷合計量」、先入先出法は「当月÷当月投入量」—— 分子と分母から月初を除くかどうかが唯一の違いです。

完成品原価と単位原価

月末仕掛品を求めたら、あとは引き算です。

完成品原価 = 月初仕掛品原価 + 当月投入原価 − 月末仕掛品原価

これを完成品数量で割れば単位原価が出ます。

学習のポイント

ボックス図(左に月初・当月投入、右に完成・月末)を材料費用と加工費用の2枚描くのが 鉄則です。仕損が出る応用問題も、この基本形ができていれば負担配分を上乗せするだけ。 まず当アプリの工簿分野で平均法・先入先出法の計算を反復しましょう。